2017年05月29日

「レのシャープ君とミのフラットさん」

なかなかネット書店で購入できるようになりませんが、気がつけば発売日が迫っていますので、こちらでも訳者ご本人に代わって宣伝を。研究会の初代会長でいらっしゃる新島進さんが、実に会の創立の頃から訳出と註作成の作業をなさっていた(もちろん、これだけにずっとかかりきりだったわけではないことは、この間のお仕事から明らかですが!)ヴェルヌの短編が遂に出ます! 語学教科書ですから、日本語の訳はもちろん、原文や語学的な註も付いており、たしか挿絵も入っているはずです。ヴェルヌには、こんなものも書いていたのか、と思わせるような幻想短編がいくつかあって(例えば、『水声通信』掲載の「ごごおっ、ざざあっ」など)、これはその典型例。今まで翻訳がなかったのが不思議なくらいですが、どうしても定番化した作品にばかり訳者や出版社の目が向きがちなせいでしょう。とはいえ、そのお陰でこうした特殊な形でじっくりと読めるわけですので、フランス語はちょっと、という方もこの機会にぜひ学んでみてはいかがでしょうか。

http://www.daigakusyorin.co.jp/book/b288138.html
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2017年04月10日

図書新聞の対談

インスクリプト『ジュール・ヴェルヌ・コレクション』刊行開始を記念して、石橋さんと新島さんの対談が先週土曜日発売の図書新聞に掲載されました。

http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/

ヴェルヌという作家とその作品の魅力、読みどころ、文学的重要性など、縦横に語られています。必読です!

また同じく、『地球から月へ 月を回って 上も下もなく』について堀江敏幸氏の書評が毎日新聞に掲載されました。こちらもぜひ。

https://mainichi.jp/articles/20170409/ddm/015/070/023000c

次回刊行予定はついに登場、驚異の問題作『蒸気で動く家』です。ご期待ください。
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2016年10月06日

お知らせ等

一か月以上前のことになりますが、現代フランス文学を代表する作家の一人であるミシェル・ビュトールが亡くなりました。八十九歳でした。時折入ってくる近況から窺い知る限り、まだまだお元気で、九十歳を祝う新刊予告も出ていましたので、不意を衝かれた思いでした。ビュトールが「ジュール・ヴェルヌのいくつかの作品を通してみた至高点と黄金時代」を書いたのは一九四九年、まだ作家としてデビューする前の弱冠二十三歳の若者だったわけですが、ヴェルヌのイメージを一新し、その再評価を呼び起こした決定的な評論でした。僕自身、その翻訳を読んだことがきっかけとなって、十代で『時間割』を読んだのですが、その時の衝撃はいまだに忘れません。小説とはこのように書くこともできるのか、と。その後のビュトールは翻訳困難な作品、しかも大作をシリーズで矢継ぎ早に書いていったため、日本では全貌がまったくつかめなくなってしまったのは残念でした(そのせいか、これほどの大作家でありながら訃報もほとんど出ませんでした)。フランスのヴェルヌ協会は、シモーヌ・ヴィエルヌに続き、今年は名誉会員をこれで二人失うことになり、その喪失感はただなりません。ビュトールの遺した巨大な業績を、及ばずながら今後も追いかけていきたいと思っています。

このような話題の後に持ち出すのは気が引けますが、宣伝を。ヴェルヌ研究会の会員でもある倉方健作さんとの共著が来週末に発売されます。

http://www.hakusuisha.co.jp/book/b243681.html

エッツェルは前半の主役の一人であり、ヴェルヌは影の重要人物の扱いとなっています(作家ではユゴーとゾラが主役です)。倉方さんが書かれた後半は詩壇をめぐる人間関係を追っていて、時に憎たらしいほど巧みな語り口になっています。本屋で見かけましたら、お手に取っていただけると嬉しいです。
posted by ishibashi at 21:04| Comment(0) | 会員の動向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする