
ちょっと見づらいかもしれませんが、よく見るとこちらをねめつける目が・・・
インドという物語の舞台の、底知れぬ闇の力を凝縮したような大迫力の表紙です。
主役というべき「鋼鉄の巨象」に対して、野生の象の目を対置することで、敵役あってのこの作品なのだ、ということも改めて感じさせます。
以下惹句を再録。
「北インドの大自然を舞台に繰り広げられる冒険と復讐の物語。セポイの叛乱で捕虜を虐殺し合い、あまつさえ、互いの伴侶を殺害した、イギリス陸軍士官エドワード・マンローと叛乱軍の首領ナーナー・サーヒブ。叛乱鎮圧後、憂鬱に沈むマンローを励まそうと、友人たちは鋼鉄の象が牽引する豪華客車を用意、インド横断の旅に出る。闇の中を蠢く叛乱軍の残党たち、正気を失い、松明を持って密林をさまよう謎の女性「さまよえる炎」……。血の糸で引き合う宿敵同士の運命やいかに。「ヴェルヌの最も不思議な魅力を湛えた小説」(ジュリアン・グラック)であり、インドを横断する『八十日間世界一周』と表裏をなし、『八十日間』を逆向きに反復しかつ更新する傑作、130年の時を経てついにその全体像が姿を現す。本邦初完訳。挿絵107葉、詳細な解説、あとがき収録。」
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