2018年01月07日

維新と地理学

皆様、あけましておめでとうございます。本年も日本ジュール・ヴェルヌ研究会をよろしくお願いいたします。

今年は明治維新から150年という節目の年ですが、歴史好きの方はご存知のとおり、旧暦の正月早々(今でいうと今月末頃)鳥羽・伏見で戦端が開かれて幕府軍は惨敗し、錦の御旗のためなのかわかりませんが、徳川慶喜は江戸に引き上げ、追討令が出されるという経過をたどります。

第二帝政フランスは幕府側に軍事顧問団を派遣するなど支援したものの、この戊辰戦争勃発を受けて局外中立を他のヨーロッパ諸国とともに宣言することになります。
ナポレオン三世はアジアに影響力を持ちたかったのでしょうが、2年後に普仏戦争が起こって帝政は崩壊。1871年に出発する岩倉使節団が会見し感銘を受ける相手はビスマルクということになるのです。

さて、ジュール・ヴェルヌは150年前に何をしていたか。実は、1868年は〈驚異の旅〉の新作が発表されなかった珍しい年なのです。
エッツェルに頼まれたヴェルヌは、前年から「図説フランス地理学」という本に各地域の説明文を書くという仕事に時間を割かれていました。
すでに構想を温めていた、「海底を舞台にした小説」を本格的に書き始めたのは2月以降のようです(フォルカー・デース『ジュール・ヴェルヌ伝』による)。『海底二万里』の連載開始は1869年からになります。

その後、普仏戦争を経て『八十日間』、『神秘の島』などが書かれ、ヴェルヌの活動に一つのピークが到来することになるのですが、すでに会誌6号・10号、最新の12号などでも解説されておりますのでご参照ください。いずれにせよ、歴史の変動とともにヴェルヌと〈驚異の旅〉もまた変化をしていくことになります。我々ヴェルヌ研もまた、変化を恐れず歩んでいきたいと思います。

posted by sansin at 11:29| Comment(0) | 研究会の活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする