2017年08月22日

『蒸気で動く家』発売中です

視聴率が何だ、『おんな城主 直虎』は断固として面白い! ・・・というのはワキに置いといて(皆様すみません)、『蒸気で動く家』、ついに発売しました。お近くの書店でも並んでいるのでは。
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石橋さんの解説、荒原さんのあとがきも読み応えがあります。なるほど、そうだったのか・・・

初期作品に対し、『ミシェル・ストロゴフ』以降の中期作品は全体像が見えにくい、ということがありますが、本書、そして今後のラインナップである『エクトール・セルヴァダック』の完訳によって、『黒いインド』(邦題『黒いダイヤモンド』)、『ベガンの5億フラン』(同『インド王妃の遺産』)、『ある中国人の苦悩』(『必死の逃亡者』)、『ジャンガダ』、『緑の光線』、『燃える多島海』(『エーゲ海燃ゆ』)、『マチアス・サンドルフ』(『アドリア海の復讐』)、『征服者ロビュール』と、中期作品の、めぼしいところの邦訳が大体揃ってくることになりましょうか。

(あとは、『15歳の船長』の完訳[ちょっとハードルが高い]、『頑固者ケラバン』など、待たれる作品もまだありますが・・・)

そう考えながら『蒸気』を読んでいくと、この時期のヴェルヌの広さ、深さ、充実ぶりがよく分かります。中期ヴェルヌを読み直す最初の一冊としてぜひ読んでみてください。もちろん、時代精神としての植民地主義も視野に入れつつ・・・

また、『マチアス・サンドルフ』は『蒸気』訳者の一人である会員の三枝さんによる新訳(『シャーンドルフ・マーチャーシュ』)が刊行予定されています。こちらも大いに期待です!

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2017年08月04日

『蒸気で動く家』いよいよ8月21日発売

刊行が遅れていました、ヴェルヌ中期の傑作、本邦初完訳『蒸気で動く家』、いよいよ8月21日発売です。予約が始まっています。

蒸気書影.jpg

ちょっと見づらいかもしれませんが、よく見るとこちらをねめつける目が・・・

インドという物語の舞台の、底知れぬ闇の力を凝縮したような大迫力の表紙です。

主役というべき「鋼鉄の巨象」に対して、野生の象の目を対置することで、敵役あってのこの作品なのだ、ということも改めて感じさせます。

以下惹句を再録。
「北インドの大自然を舞台に繰り広げられる冒険と復讐の物語。セポイの叛乱で捕虜を虐殺し合い、あまつさえ、互いの伴侶を殺害した、イギリス陸軍士官エドワード・マンローと叛乱軍の首領ナーナー・サーヒブ。叛乱鎮圧後、憂鬱に沈むマンローを励まそうと、友人たちは鋼鉄の象が牽引する豪華客車を用意、インド横断の旅に出る。闇の中を蠢く叛乱軍の残党たち、正気を失い、松明を持って密林をさまよう謎の女性「さまよえる炎」……。血の糸で引き合う宿敵同士の運命やいかに。「ヴェルヌの最も不思議な魅力を湛えた小説」(ジュリアン・グラック)であり、インドを横断する『八十日間世界一周』と表裏をなし、『八十日間』を逆向きに反復しかつ更新する傑作、130年の時を経てついにその全体像が姿を現す。本邦初完訳。挿絵107葉、詳細な解説、あとがき収録。」

お買い求めはヴェルヌ書店からどうぞ。また、いち早く徹底特集した会誌「Excelsior!」第8号も副読本としてぜひご購読ください。

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