2017年01月08日

2017年初雑感

「ジュール・ヴェルヌ コレクション」第一回配本、当初予定より若干遅れ、1月20日刊行予定です(アマゾンはまだ直ってないかも)。カウントダウンに入っております。


https://www.amazon.co.jp/dp/4900997447/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&linkCode=sl1&tag=hondana0c-22&linkId=146f311e43503d60251896e4c7f1c70d

さて、あっという間に一週間がすぎ、2017年もめまぐるしく進んでいくことがありありと予想されたりもするのですが、正月にようやく積み上がった本を整理していたら、そういえば去年はこれも読んだ、というものが何冊かありました。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」(岩波現代文庫)

これは凄まじい本で、ぜひご一読をお勧めします。しかし、この後の「ボタン穴から見た戦争」、「チェルノブイリの祈り」、そして去年翻訳が出た「セカンドハンドの時代」と読み進めていかないといけないな、と漠然と考えていて、読み終わったという気がしていなかった。今年は続きを読まなければ。

巽孝之「盗まれた廃墟 ポール・ド・マンのアメリカ」(彩流社)

ド・マンとはいかなる人物であったか、いかなる存在であったか、そしてその影響は現在まで続いているということを少ないページ数で濃密に示している好著です。

ハイエク「隷従への道」(日経BPクラシックス)

邦訳は複数あるので、どれでもいいと思うのですが、人類は1930年代以来、全体主義に対しては未だに有効な処方箋を発見していない、ということがはっきり分かる本。

他にも、久生十蘭の短編、モーリアック「蝮の絡み合い」など、興味深いものは多かったのですが、会誌投稿の参考書として読んだので、忘れてしまっていましたね。

さあ、大河ドラマも「精霊の守り人U」も気になりますが、今年はTVを消して本を読もう・・・


追記 : 「このミス」で第2位に選ばれたり、TVで芸人が持ち上げたりして、若竹七海の「葉村晶」シリーズが急に注目を集めているようですが、できれば葉村駆け出しの頃の中公文庫「プレゼント」から読み進めて欲しいです。
文春文庫「依頼人は死んだ」「悪いうさぎ」と続いたら、光文社文庫「暗い越流」収録の短編へ進み(その前に朝日文庫「名探偵の饗宴」にも1編ありますが)、その後「さよならの手口」、最後に最新短編集「静かな炎天」を読んでほしい。紆余曲折を経て、今の葉村晶の境遇があるので・・・
でも、シリーズが進むと最初の設定などどこかに行ってしまう、というミステリあるあるもこの作者は知り尽くしているでしょうから、気にしなくてもいいのかな・・・

1月15日再追記 : 上記朝日文庫の収録作は「依頼人は死んだ」中の1編の再録でした。申し訳ありません。



posted by sansin at 09:15| Comment(1) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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