2020年02月23日

最新状況(2020.2月) 会誌13号・14号のご案内

久々の投稿です。最新情報はツイッターを見ていただきたく。当HPの更新できていない部分の補足ですが、会誌最新の14号は『二十世紀のパリ』を特集しております。頒布価格1000円。当会へのお申込は送料別途100円かかります。詳細は当HPの「会誌」サイトご確認ください。
会誌情報がアップデートできておりませんので補足しますと、6号は在庫切れとなっております。5号、7号〜13号のバックナンバーはあります。

アップデートできていない、会誌の内容を記載しておきます。昨年発行13号の内容は下記のとおり。数字はページ数です。


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◉[コラム]ぼんじゅーる、じゅーる!
読書に生きて、活かされて  小湊倫子 004
エルクマン‐シャトリアン、あるいはフランス大衆文学研究への誘い 小林晋 006
運命と人生  島村山寝 008

特集 カルパチアの城│
読書会『カルパチアの城』012
存在という「仮想」│ イマージュ・テクスト・テクノロジー  島村山寝 062
鏡の中のラ・スティラ、あるいはジェロームとオランピアの間で生成/闘争するイメージ 荒原邦博 083
[イラスト] ラ・スティラ 青星里 103

翻訳 「フランス人による四〇回目のモンブラン登頂」 ポール・ヴェルヌ[坪井宣明=訳] 106

自由投稿│
ジュール・ヴェルヌから見たイギリスの文化とは? 新須憲一 128
ペーパーモデルの世界 │ ヴェルヌ作品に登場する乗り物作品の紹介  坪井宣明 131
ジュール・ヴェルヌと音楽│ 『緑の光線』『動く人工島』から  横山深雪 137
演芸雑報欄に見る本郷座『無名氏』上演│ 演劇通信社の配信記事とその歴史をめぐって 附・『無名氏』新聞劇評集 藤元直樹 143

◉書評
倉薗紀彦による『地底旅行』マンガのすばらしさ       小野耕世 165
『地底の大冒険 タケシと影を喰らう龍魔王』[私市保彦著] 幕田けいた 169
『フランス絵本の世界〜鹿島茂コレクション〜』       植草康浩 172
宝塚雪組公演『CAPTAIN NEMO ネモ船長と神秘の島』    島村山寝 166
『ルパンの世界』[ジャック・ドゥルワール著、大友徳明訳] 植草康浩 170
『時代を「写した」男 ナダール 1820-1910』[石井洋二郎著] 橋本一径 173

[ 連載] 六助とソランジュの「魅惑のヴェルヌ」 いかにして、われわれは〈驚異の旅〉日本語版を実現させるか?第八回「ピエール゠ジャン」、そのほかの短篇作品その一  ソランジュと六助 177
◉シンポジウム『ジュール・ヴェルヌ再発見 作家と大衆作家』開催レポート─ 189
◉入会案内・活動報告─ 190
◉編集後記─ 192

続いて14号。

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◉[コラム]ぼんじゅーる、じゅーる!

ポウとデュマにまつわる奇妙な謎  小林晋 004

◉二〇一九年二月八日、ヴェルヌ生誕一九一年記念 全世界一斉朗読会
『地球から月へ』朗読を振り返って 高橋克昌 008
ジュール・ヴェルヌ作品全世界同日朗読会 石橋半零 012
ミシェル・アルダンに憧れて 井口誠司 015
「文学カフェ特別編││ジュール・ヴェルヌ「 SFの父」の誕生日」於アンスティチュ・フランセ九州 開催の報告と雑感 小湊倫子 017
『彼方のアストラ』と SFらしい主題 村井善幸 022

特集 ◉二十世紀のパリ│
読書会『二十世紀のパリ』026
『二十世紀のパリ』をもっと深読みしたい人のためのブックガイド││日本語で読める版  島村山寝 077
榊原晃三訳『二十世紀のパリ』(集英社、一九九五年)誤訳・不適切箇所一覧  石橋正孝 086
平成ヴェルヌ評判記││『二〇世紀のパリ』編  藤元直樹 108
〈大いなる帳簿[グラン・リーヴル]〉とは何か  島村山寝 119
反転それとも「埋葬」、あるいは『二〇世紀のパリ』と『海底二万里』におけるクールベの/による「埋葬」 荒原邦博137
[イラスト]ロワール川を眺めていたい 青星里 160

自由投稿│
ペーパーモデルの世界 │ ヴェルヌ作品に登場するモデルの紹介 坪井宣明 162
邦画探訪『紅顔の密使』│ 『ミハエル・ストロゴフ『』皇帝の密使』『天皇の密使』『小田の武麿』 坪井宣明 168
ジュール・ヴェルヌと音楽 L’Île à héliceより │ 横山深雪 174
『海底二万里』における「海の知的生命体」 植草康浩 179
日本ヴェルヌ・マンガコレクション上 幕田けいた 181
濃霧の邂逅 島村山寝 185

[ 連載]
六助とソランジュの「魅惑のヴェルヌ」 いかにして、われわれは〈驚異の旅〉日本語版を実現させるか?
第九回『アンティフェール親方のとんでもない冒険』 ソランジュと六助 215

◉入会案内・活動報告─ 229 ◉編集後記─ 230

以上です。今年はいよいよ切り番の15号。ご期待ください。


posted by sansin at 14:37| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月14日

お詫び(会誌の在庫切れにつきまして)

平素は日本ジュール・ヴェルヌ研究会の活動にご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。

サイトの更新をしばらくしておりませんでしたが、そのためか、会誌6号の在庫切れ・販売終了がきちんと伝わっていなかったようです。

ツイッターでは流しておりましたが、情報提供が不足しておりました。

大変申し訳ありませんでした。

5号は在庫がまだありますが、1〜4号、6号は在庫切れで販売を終了しております。

現在販売しておりますのは、5号、7号〜13号です。

在庫切れ、販売終了につきましては、今後ともサイト、ツイッターで随時更新して参りますのでご確認ください。

また、バックナンバーの増刷につきましてもたまにお問い合わせをいただきますが、財政上の理由から現時点では予定がありません。

今後とも日本ジュール・ヴェルヌ研究会をよろしくお願いいたします。

posted by sansin at 11:01| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月17日

大矢訳『名を捨てた家族』

2016年に出た大矢タカヤス氏の『名を捨てた家族』を改めて精読しました。読みやすく、正確な、そして誠実な訳文で、訳注も行き届いており、大変勉強になりましたが、直訳も厭わない誠実さゆえに、ごまかしがなく、違和感があるところは誤訳であるとすぐわかります。そうした箇所はごくわずかであり、重要度も低いのですが、ただ一箇所、

「こちらの岸から反対側へと向きを変える度に一斉射撃を受ける危険があった」(邦訳103ページ)

ここは訂正しておくべきでしょう。原文は≪ il [Pierre Harcher] dût courir des bordées d’une rive à l’autre ≫で、辞書にも載っている成句とはいえ、ヴェルヌ愛読者以外にはまず馴染みの薄い表現が含まれ、その解釈が誤っています。正しくは、「彼は一方の岸から他方へと間切って進まなければならなかった」と訳すべきところです。

『名を捨てた家族』は、ヴェルヌには珍しい本格的な歴史小説であり、プロットに織り込まれた史実の量が他の《驚異の旅》諸作とは比較にならないほど多い点に特徴があり、どこまでがヴェルヌの創作なのか、読んでいて非常に興味をそそられます。ケベックを専門の一つとしておられる大矢氏だけに、訳注は非常に親切なのですが、物語のそもそもの発端となる1825年の陰謀について、参画者が全員架空の人物なのでそれ自体が架空であることは自明ながら、モデルがありうると思われたのか、そう明言されていません。また、『ジュール・ヴェルヌ評論Revue Jules Verne』が2009年に出した29号でこの作品の特集を組んでいるのですが、残念ながら参照なさらなかったらしく、《驚異の旅》登場実在人物辞典を執筆中のアレクサンドル・タリュー氏がこの号に寄稿した論文で特定されている実在人物の何人かに訳注が付けられていないのが惜しまれます(大矢氏に限らず、ヴェルヌの非専門家の方は、最近のヴェルヌ研究をほとんど参照せず、ラ・フュイ夫人の伝記を筆頭に、昔の文献ばかり依然として参照されるのは何故なのでしょう)。例えば44ページでリオネルが列挙するケベックの詩人たちはいずれも実在ですが、なんとこの時点ではまだ生まれていないか、まだ大人になっていない人たちばかりなのだそうです。また、47ページに挙がっている、原住民と婚姻をした一族の例、これらもことごとく実在ながら、ネピジニーは家名ではなく、エノー家の住んでいた土地とのこと。209ページのドゥマレとダヴィニョン医師もタリューによって生没年が特定されています(何度も出てくるブラウンには訳注が付いていたでしょうか?)。そして名無しのジャンを逮捕したコモーも実在の人物ですが、フロントナック砦のシンクレア少佐は架空の人物。そして、物語の大詰め、カロリーヌ号の事件は、ヴェルヌが自分を振った初恋の従姉への恨みを晴らしているみたいですが、実際には史実を文脈と年代を変えてここに持ってきたことは大矢氏が解説で指摘する通りながら、タリューによると、マック・ナブ、ドリュー、マクラウドの行為は明らかに誇張されており、三人ともにこの作品が発表された時点ではこの世を去っていましたが、遺族から名誉毀損で訴えられてもおかしくないレヴェルだそうです。
posted by ishibashi at 00:26| Comment(1) | 今日の誤訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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